mealtime

自宅でできるサルコペニア予防!(齋藤 千晶)

 ギリシャ語の「筋肉」を表す“サルコ”と、「喪失」を表す“ぺニア”を組み合わせた言葉で筋肉量の減少に伴い筋力・身体機能が低下している状態の事を言います。転倒・骨折・寝たきりなどを引き起こす一因と考えられています(図1)。また、飲み込みに必要な筋肉も低下すると、誤嚥を引き起こすため注意が必要です。

たんぱく質の摂取不足と運動量の減少により分解される筋肉が多くなることで、筋肉量が減少してしまいます。この状態を放置すると筋肉は衰退していくため、食事を意識して摂取するだけでなく、運動も合わせて行っていきましょう。

図1 サルコペニア、フレイル、ロコモの関係1)

「自分は痩せていないから大丈夫!」そんな方でも、注意が必要な場合があります!脂肪が多く筋肉が少ない状態を「サルコペニア肥満」と呼びます。自分でできる簡単な指輪っかテスト(図2)で確かめてみてください!ふくらはぎの一番太い部分を両手の親指と人差し指で作った輪っかで囲ってみましょう!指とふくらはぎの間に隙間ができる場合、サルコペニアの可能性があります。 

図2 指輪っかテスト

サルコペニアを予防するためにどんな食事をすればいいでしょうか??

1. 1日3食、主食・主菜・副菜を揃えてバランスよく食べる

 バランスよく食べましょうと言われても実際に何を食べればよいか分からない方も多いのではないでしょうか。「さあ、にぎやかにいただく」という合言葉をご存じですか?東京都健康長寿医療センター研究所が開発した食品摂取の多様性スコアを構成する、10種類の食品群の頭文字をとったもので、ロコモチャレンジ!推進協議会が考案した合言葉です。1日で7品目食べる事を目標にしてみましょう!
 肉や魚のたんぱく質だけをたくさん食べても、エネルギーが不足していると体は燃料不足となり、筋肉を作れなくなってしまいます。また野菜などに含まれるビタミン・ミネラルは、食事から摂った糖質をエネルギーに変えるはたらき、たんぱく質から筋肉を作る役割などを持っています。お食事をまんべんなく食べることがサルコペニア予防につながります!

10種類の食品群「さあにぎやかにいただく」(筆者作成)

2. たんぱく質をしっかりと食べる

 たんぱく質は筋肉を作るうえで不可欠な栄養素とされています。たんぱく質は肉・魚・大豆・卵・乳製品などに含まれています。食事から摂取したたんぱく質は、体内でアミノ酸へ分解し吸収されます。その後、筋肉や内臓、ホルモンや抗体などの生成に利用されます。簡単な目安量として、手計法があります!肉・魚・大豆製品などを、1回の食事で片手に1杯分選びましょう。

適正摂取量の計算方法
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
1日の摂取エネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×30~35kcal
1日の摂取たんぱく質量(g)=予防:現在の体重×1.0g以上、改善:現在の体重×1.2~1.5g
*基礎疾患をお持ちの方はかかりつけ医、管理栄養士へご相談下さい

食事だけでなく、運動を取り入れましょう!

 せっかく食事からたんぱく質をしっかり食べても、体を動かさないと筋肉に変わらないため体操をおすすめします。かかとの上げ下ろし・もも上げ、腰ひねりなどがあります。無理のない範囲で行いましょう2)

<簡単おすすめレシピ>

*ポテっ豆サラダ*【栄養価(全量)】 エネルギー304kcal たんぱく質12.7g 食塩1.0g

【材料(作りやすい分量)】
・じゃがいも     2個
・納豆(タレ付)   1パック
・青ネギ       10g
・マヨネーズ     大さじ1

【作り方】
①じゃがいもはゆでて、熱いうちにお好みの粗さに潰しておく。青ネギは小口切りにする
②納豆、添付のタレ、マヨネーズ、①をボウルに入れてよく混ぜ合わせる
③器に盛り付け、完成です!

引用 1)ネスレ日本株式会社【図解】サルコペニアとは?フレイルとの違いは?特徴や対策方法
      https://healthscienceshop.nestle.jp/blogs/isocal/knowledge-malisocal-004-index
参照 2)東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チームリーフレット

患者さまとどのように接しているか

しっかりとお話を聞き、食の楽しみを活かしていけるようなご提案を心掛けています

卒業した学校

相模女子大学

好きな食べ物

パン、ハンバーグ