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低栄養を予防するためにコンビニ商品を利用しよう(大仲 康子)

現在、高齢化社会突入!

 誰もがいつまでも健康で、自分の足で歩け、食べられることを願っていると思います。1970年から65歳以上の占める割合が7%を超えた高齢化社会に突入し、2025年には30%に達すると予測されています。家族構成は単身独居者が増え、高齢者が高齢者を介護する「老々介護」も問題視されています。私たちは少しでも健康的にいられることも大切ではないでしょうか。

健康寿命という言葉をご存じでしょうか。厚生労働省は「健康上の問題で日常生活が制限されることがなく生活ができる期間」と定義しています。そこには入院、介護を必要として自立出来ない状態の方は含まれません。健康寿命は2019年の段階で男性72.68歳、女性75.38歳となっています。一方よく耳にする平均寿命とは「生まれてから亡くなるまでの平均的な期間」を示します。2019年の段階で男性81.41歳、女性87.45歳となり健康寿命との差は男性8.73年、女性12.06年の差があり徐々に縮小傾向にはあります。健康寿命を延ばして介護を必要としない生活を送りましょう。

不健康ともいわれる低栄養とはどのような状態?

 低栄養とは、健康的に生きるために必要な量の栄養素が摂れていない状態を指します。特にたんぱく質とエネルギーが充分に摂れていないことを「Protein Energy Malnutrition(PEM:たんぱく質・エネルギー欠乏症)」といいます。食事量が減り、偏った食事によりたんぱく質やエネルギーが不足すると、果物、生野菜更には肉類も口にしなくなります。野菜も食べやすい煮物が中心となるとビタミン、ミネラルも不足しがちになります。固いものも食べられなくなり食物繊維も足りなくなることもあります。

もうひとつ、低栄養にならないために体重管理も大切となります。やせ、正常、肥満を表すBody Mass Index(BMI:体格指数)は、「体重÷身長(m)2」で求めることができます。18.5未満は「やせ」、18.5以上25未満は「正常」、25以上は「肥満」と判定します。高齢者の「やせ」を防ぐために、厚生労働省は目標とするBMIの範囲を、65歳以上は21.5~24.9と定めました(日本人の食事摂取基準(2020年版))。20以下は、低栄養により「やせ」の疑いがあります。痩せすぎると筋力低下にもつながりますので注意が必要です。体重は低栄養の一つの指標ともなります。体重計測を習慣化していくのもよいでしょう。

当院での入院患者さんで、入院時に「低栄養」および「低栄養のおそれあり」と評価される方々が半数以上を占めます。低栄養の患者さんにはエネルギーやたんぱく質の強化補助食品を付加し、食形態等を見直して食べやすい食事を提案しています。

食事の摂り方で大切なこと

 ご家庭での食事の摂り方は、毎食で主食・主菜・副菜を基本に特にたんぱく質は不足しないように心掛けてください。1日の必要たんぱく質量の目安は「標準体重×1.2g/kg」で求めることができます。たんぱく質を積極的に摂るにはたんぱく質を多く含む食品(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品)をしっかり摂れるようにしましよう。

*標準体重=身長(m)×22 (BMI適正体重)

コンビニ商品を活用しよう!

 食事の準備を行うにも先述のように高齢者の家族構成は単身独居も多くいられます。その際には、手軽に利用できるコンビニで栄養を考慮した食事を提案させて頂きます。現在コンビニは全国で約57,000店舗あり、生鮮野菜も揃っているほどです。少量から食品を購入でき無駄もなく、パンや弁当、カット野菜や冷凍食品、缶詰、調味料まで揃うのでスーパーに出向かなくても品揃えは豊富で魅力的な場所です。

コンビニでの栄養バランスが摂れた組み合わせ

 単品のものを複数組み合わせることによって一食の食事の準備ができます。たんぱく質が多く含まれる食品をなるべく選べるようにしましょう。主食、主菜、副菜の中から一つずつ選んでみましょう(図1)。

図1 主食・主菜・副菜の一例

組み合わせ例

(カロリー約510 kcal たんぱく質約28.5g)
(カロリー約670kcal たんぱく質約30.5g)

コンビニ商品でたんぱく質をプラスする工夫

患者様とどのように接しているか

食生活に不安が残らないよう最善の支援を心掛けています

卒業した学校

東京栄養専門学校

好きな食べ物

海鮮全般