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高齢期の新たな課題(齊藤 大蔵) 

サルコペニアとは?

 年をとるとともに、体のあらゆる部分が変わってきます。骨がもろくなったり、体力が落ちたりしますが、最も気を付けるべき変化の一つに「サルコペニア」があります。
サルコペニアとは、主に年齢に伴い筋肉が減少し、筋力が弱くなっていく現象を指します。筋肉は、私たちの身体を支える大切な要素であり、筋肉が減少すると日常の活動が難しくなるだけでなく、転倒のリスクが増加します。このようなリスクが高まると、骨折や怪我の原因となり得るため、非常に注意が必要です。

【指輪っかテスト:サルコペニアの簡易診断】
ご自身の筋肉量の減少を疑う場合、家で簡単にできる「指輪っかテスト」があります。このテストを定期的に行うことで、自身の筋肉の状態を知ることができます。「指輪っかテスト」は人差し指と親指を結び、ふくらはぎの一番太い部分を囲みます。この時指とふくらはぎの間に隙間ができた場合はサルコペニアの可能性が高くなり、反対にふくらはぎを囲めない場合はサルコペニアの可能性が低くなります(図1)。

図1 指輪っかテスト

ただし、このテストはあくまで目安ですので、正確な筋肉量を知りたい場合は医療機関での診断を受けることをおすすめします。

食生活の重要性

 筋肉は、適切な運動と食事によって維持・増加させることができます。特に食事は、毎日の生活の中で容易に取り入れることができる方法です。

【カロリー摂取の大切さ】

食事においてまず大切なのは、十分なカロリーを摂取することです。年齢を経るにつれて、食事量が減少してしまう傾向がありますが、これはサルコペニアを進行させる原因となります。定期的に体重や指輪っかテストを実施して体重の低下やふくらはぎが細くなってきた場合、食事の量が足りない可能性があります。食事の量や間食など見直しましょう。

【たんぱく質の役割】

筋肉はたんぱく質でできており、十分なたんぱく質の摂取は筋肉の維持や増強に欠かせません。高齢者の方々は、特に意識してたんぱく質を取り入れることが重要です。たんぱく質は、肉、魚、卵、乳製品、豆類などの食品に豊富に含まれています。例えば、鶏肉や豚肉、牛肉などたんぱく質が豊富です。また、魚の中でもマグロやサバは高いたんぱく質を持つ食品です。卵はそのまま食べるだけでなく、料理の具材としても使用でき、非常にたんぱく質を摂取しやすい食品です。
また、牛乳やヨーグルトなどの乳製品もたんぱく質を多く含みます。朝の1品にヨーグルトなどを加えたり、1品追加や間食などで摂取しやすいたんぱく質と言えます。さらに、植物性のたんぱく質も忘れてはいけません。大豆製品、特に豆腐や納豆は、手軽にたんぱく質を補給できる食品として日常の食事に取り入れやすいです。

図2 たんぱく質の多い食材

医療機関との連携

 病院や診療所で治療を受けている方は、サルコペニアだけでなく、他の病状との関連も考慮する必要があります。そのため、医師や栄養士に相談することで、より適切な食事内容のアドバイスを受けることができます。

まとめ

 サルコペニアは、高齢者にとっての大きな課題の一つですが、適切な食生活と運動を取り入れることで、予防・改善することが期待できます。日常生活の中で、少し意識を変えるだけで大きな違いを生むことができるのです。健康的な生活を送るための第一歩として、食生活の見直しを始めてみませんか?

筆者

海老名総合病院
医療技術部栄養科
管理栄養士 齊藤 大蔵 

患者様とどのように接しているか

栄養の補給だけでなく、患者さん、ご家族が望む生き方を栄養・食事面のサポートを心がけています。

卒業した学校

名寄市立大学/愛知学院大学大学院

好きな食べ物

ステーキ/盛岡じゃじゃ麺