低栄養を予防しよう-たんぱく質を意識した食事-(仲鉢 聖子)
平均寿命と健康寿命の差を短くするひとつの対策として、低栄養を予防することが大切です。
平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、2022(令和4)年の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳でした。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、2022(令和4)年の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳となっています。
低栄養になると、筋力がおちるため、転ぶことが多くなり、骨折をしてしまうと寝たきりになってしまうことがあります。このようなことは、健康寿命が短くなる要因となっています。
■低栄養を予防するには、基本は1日3食の栄養バランスの整った食事をすることが大切です。
バランスの整った食事とは・・・
主食 (パン 麺 ごはん) 、主菜 (肉 魚 卵 豆腐)、 副菜 (野菜2品)がそろった食事をいいます。
1日の中で牛乳またはヨーグルト、果物を食べるとよいです。

■たんぱく質を意識して食事をしましょう。
たんぱく質の量が少ないと、筋力、からだを動かす機能が低下しやすいとされています。
たんぱく質は1日60g程度とることを目安にします。1日3食均等にとることがよいとされていますので(他コラム参照)、1食20g程度となります。たんぱく質だけをとってもカロリーが不足していると、せっかくとったたんぱく質が体を動かすために使われてしまい、筋肉をつけることにつながらなくなります。このため、バランスの整った食事をしたうえで、たんぱく質の量を意識してみましょう。そして、運動を加えることが大切です。
主食(ごはん、パン、麺)にもたんぱく質は入っていますので、主食のたんぱく質量をひいた数がおかずからとるたんぱく質の量となります。
―主食のたんぱく質量―
ご飯(小茶椀に軽く1杯 150g)3.8g
パン(6枚切り1枚)5.3g
うどん(1玉180g)11.0g
そば(1玉160g)7.7g
食材に含まれるたんぱく質の量をお示しします。たんぱく質量を多くとるための食材選びの参考にどうぞ。牛肉を食べる場合、バラよりももの方を選んで食べるとよいと思います。豚肉、鶏肉を食べる場合も同様に下記の表を参考に部位を選ぶとよいです。肉類の場合は部位を選択しますが、魚の場合はマグロ(赤身)のたんぱく質量が多いからといって、マグロばかり食べるという偏った食材を使用するという意味ではありません。他の魚でもたんぱく質量はとれますので、下記の表は参考程度に、色々な種類をとりましょう。
肉・魚は100gあたりのたんぱく質量を表示していますので、例えば、ご飯1膳(小茶椀に軽く1杯 150g)+豚ひれ50gだとたんぱく質量は、ご飯のたんぱく質量3.8g+豚ひれ50gのたんぱく質量11.4g(100gで22.7g)=15.2gですからあと5g分は納豆1パック(たんぱく質量6.6g)で補うと1食分のたんぱく質量(20g)がとれます。1種類のたんぱく源(肉、魚、豆腐、卵)でたんぱく質量を確保できない場合は、他のたんぱく源を組み合わせて食べてみましょう。





■咀嚼力(かむ力)・嚥下機能(飲み込む力)の低下を予防しましょう。
歯を失ったり、かむ力が低下したり、飲み込む力が低下すると、食事量が少なくなることが多いです。
柔らかい食事を好むようになり、肉類や魚、野菜、果物などをあまりたべなくなってしまい、低栄養になってしまうリスクが高まります。
かみにくいため、パンのみの食事、お粥に梅干しのみの食事ではたんぱく質が不足してしまいます。また、野菜、果物が不足すると、食物繊維やビタミン類が不足しやすいです。
例えば、ご飯をお粥に変えて食べたとします。ご飯軽く1膳(150g)は234kcal、たんぱく質3.8gありますが、ご飯をお粥にすると、ご飯の倍量程度(330g、215kcal、たんぱく質3.6g)食べないと同じくらいの栄養量が摂れません。ここにも、柔らかい食事が低栄養を招くリスクがあります。
このため、定期的に歯科に受診しましょう。また、固いものを食べなくなるとかむ力も弱くなるので、固いものを取り入れながら食事をしましょう。
参考文献:
・厚生労働省 健康日本21アクション支援システム
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/hale
・日本人の食事摂取基準2025年
・日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
筆者

管理栄養士 仲鉢 聖子
患者様とどのように接しているか
患者の気持ちを聞きながら考え、
受容するようにしているます
卒業した学校
鎌倉女子大学
好きな食べ物
すいか













