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おいしく食べて低栄養を予防しよう(荒井 真理子)

〇はじめに

最近、以前より食事が食べられなくなった、嗜好が変わった、動くのが億劫になった、と感じることはありませんか?それは「低栄養」が原因かもしれません。年齢のせいだから仕方がないと放置してしまうと、心身の機能低下や介護度の重度化につながってしまうことがあります。低栄養は高齢者に限らず、若い人にみられることもあります。若い人の低栄養には、ストレスなどによる拒食症、過度なダイエットによる栄養の偏りなど、さまざまな問題が隠れていることがあります。

〇高齢者が低栄養状態になりやすいのはなぜ?

低栄養は年齢のせいにも思われるため「栄養の問題」と結びつけて考えにくく、自覚なく進む場合が多いといわれています。加齢に伴い低栄養傾向の人が増える背景には、下記のような高齢者特有の要因が影響しています。

これらの要因はひとつだけで存在するのではなく、いくつか重なり合って低栄養を引き起こすことがあります。例えば、身体機能の低下から食欲が落ち、精神的な落ち込みから孤立が進み、食事がおろそかになり…と悪循環に陥る可能性があります。

また認知機能の低下により、買い物に出かけても同じ食品ばかり購入したり、作る料理がパターン化するなどといった問題が生じる場合もあります。こういったケースでは調理する人と一緒に生活する家族にも栄養の偏りが起きることもあります。

〇少しの工夫で栄養アップ

低栄養を予防するためにも、しっかりと食事を摂取していきたいところですが、単に食事のボリュームを増やしてしまうと、食べることが負担になってしまうことがあります。
調理が大変な方や食が細い方も、少しの工夫で栄養を高めることができます。

食事だけではなくヨーグルトやアイス、プリンなどを取り入れ、おいしくエネルギーを補いましょう。それでも難しい場合や食欲がわかないときは、ドリンクやゼリータイプの栄養補助食品なども活用しましょう。

また油を活用することで手軽にエネルギーアップができます。マヨネーズは、脂溶性ビタミンの吸収を高めてくれたり、パサつきやすい芋類などをしっとりと食べやすくしてくれる効果もあります。スクランブルエッグ等の卵料理の時に混ぜると、やわらかく仕上げることができます。消化吸収に優れ、効率的にエネルギーになるMCTオイル(中鎖脂肪酸)の利用も有効的です。

なかなか買い物に行けない方などは、肉や魚の缶詰やレトルトカレーやパスタソース、冷凍グラタン、冷凍野菜(カボチャやほうれん草等)、マッシュポテト等が長期保存できます。まとめて買い置きをして常備しておくとよいと思います。

〇たんぱく質とエネルギーはセットがポイント

たんぱく質は体を作るもとになり、エネルギーはその体を作ったり動かしたりするための力になります。低栄養傾向にあると、足りないエネルギーを補うために自分の筋肉を分解してエネルギーに変えようとします。そうなると筋肉量が減り、疲れやすい、転びやすい、免疫が落ちる等の状態になりやすくなります。それを防ぐために、体の材料であるたんぱく質を十分に補うことが必要になりますが、エネルギーが足りないと、せっかく摂ったたんぱく質が材料ではなく燃料として使われてしまいます。

健康のためにと「野菜を中心にして、肉や卵は少なめにする。油を控えた食事」を心がけているかもしれません。これは若い頃の生活習慣に対しての食事指導であり、高齢者になると必ずしもそうではありません。むしろ高齢者こそ野菜とともに積極的に肉や魚を食べてたんぱく質を摂り、油を取り入れてエネルギーを摂ることが大切です。

食事は毎日のことです。ご本人や介護する方も無理なく取り組めるものから少しずつ始め、低栄養を予防していきましょう。

筆者

地域栄養ケアPEACH厚木 管理栄養士 荒井 真理子

患者様とどのように接しているか

想いを大切にし、その人らしさを支えたいと思っています

卒業した学校

青葉学園短期大学

好きな食べ物

海老料理